徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

 今年の4月から結核予防法が改正されてBCG接種の仕方が変わります。変更のひとつはBCGの接種をツベルクリン反応検査なしに行うことになったことです。従来はツベルクリン反応(ツ反)陰性者にBCGを行っていたのですが、検査なしに直接接種するようになったのです。もうひとつは接種時期の変更です。これまで生後3ヵ月から4歳まで(できるだけ1歳まで)に接種することとされていました。これが生後なるべく早く、6ヵ月までに接種することになったのです。生後6ヵ月を1日でも過ぎれば任意接種になります。この法律は今年4月1日から施行され、今までにBCGを済ませていない人も対象になりますから注意が必要です。

 BCGは結核に対する予防接種です。ツ反は結核にかかったことがあるかどうかを調べる検査です。すでに平成15年から小中学校でのツ反とBCG接種が中止になっています。今回の改定は乳幼児の結核予防に対する考え方が変わってきたためです。社会に結核患者が大勢居たときにはツ反をすべての乳幼児に行って、結核にかかっている子どもを発見することが重要でしたが、最近では毎年約120万人の乳幼児にツ反を行っても発見される結核患者の数は3名程度と言われます。反対にツ反が偽陽性であるために早期にBCGを接種する機会を逃がしてします子どもが43,000人も居て、この中から結核を発病するおそれのある者が22名くらい居るとされます。乳幼児の結核は発病すれば全身におよぶ重症の結核になることが多く、またそのほとんどがBCGを接種していないとされます。したがって発見される結核よりも、誤ったツ反の結果からBCGを受ける機会を奪われる子どものほうが多くなるということです。そこでツ反をせずに生後なるべく早い時期にBCG接種を行うことになったのです。地理的条件、交通事情や災害の発生などやむをえない場合には接種時期は1歳まで延長されますが、個人の都合で6ヵ月までに接種できなかった時には任意接種となり、接種にかかる費用や副反応の責任は個人で負担することになります。

2005年3月8日掲載

© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.