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【質問】 頭や背中の発疹を治すには?

 40歳の男性です。1年前から頭や背中に発疹(ほっしん)ができました。皮膚科を受診したところ、尋常性乾癬(かんせん)と診断されました。現在、塗り薬を中心に治療していますが、全く改善されません。日常生活にも支障があり、絶望の淵(ふち)にあります。最新の治療法を教えてください。



【答え】 尋常性乾癬 -焦らず根気よく治療-

徳島赤十字病院 皮膚科 浦野 芳夫

 尋常性乾癬と診断されたとのことなので、まずこの病気について簡単に説明します。典型的なものは、白色の厚い鱗屑(りんせつ)(皮膚が薄くはがれ落ちずにくっついたもの)を付着した紅色の皮疹(ひしん)で、通常自覚症状はありませんが、軽度のかゆみを伴うこともあります。頭部や肘頭(ちゅうとう)、膝蓋(しつがい)、腰部など刺激を受けやすい部位によく発生しますが、他の部位に出ることも少なくありません。慢性の皮膚疾患で、内臓の異常を伴うことはほとんどありません。

 しかし、クオリティー・オブ・ライフ(生活の質)が大きく損なわれる場合もあり、患者さんの苦しみはとても大きいと思われます。国内では人口1万人当たり2~4人とあまり多くないため、一般にはあまり理解されていないのが実情です。

 乾癬の原因は、残念ながら分かっていません。しかし、多くの病気に言えることですが、遺伝的因子と環境因子の両方が発症に関係しているようです。また、日焼け、手術、薬剤、感染、精神的ストレスなどで症状が悪化することがあります。

 治療法ですが、外用療法、紫外線療法、内服療法があり、それぞれ特徴があります。しかし、いずれも根治療法ではなく対症療法です。現時点では、皮疹を副作用なくコントロールし、クオリティー・オブ・ライフを高めることが治療の目標です。

 【外用療法】 外用剤の柱は副腎皮質ホルモンとビタミンDの2種類です。副腎皮質ホルモン外用剤は即効性がありよく効きます。しかし、長期間の使用によって皮膚委縮などの副作用を起こすこともあります。ビタミンD外用剤には即効性はありませんが、長期間使用の副作用はあまりありません。

 これらの特徴から、まず副腎皮質ホルモンで皮疹を軽快させ、ビタミンD外用剤に切り替えるという方法も考えられます。外用療法は自宅で可能なので、最もよく行われている治療法です。

 【紫外線療法】 紫外線療法にはPUVA療法とUVB療法があります。前者は長波紫外線(UVA)を照射する方法ですが、照射前にソラレンという薬剤を外用、または内服する必要があります。副作用として色素沈着が起こります。また、治療後の注意として日光に当たらないようにする必要があります。

 UVB療法は中波紫外線(UVB)を照射する方法で、PUVA療法のような前処置は必要ありません。しかし、UVBには日焼けを起こす紫外線が含まれているため、大量には照射できず効果はPUVA療法に劣ります。最近は、日焼けを起こす部分をカットし、効果のある波長だけを照射するナロー・バンドUVB療法が普及しつつあります。

 【内服療法】 内服薬としては、ビタミンA誘導体レチノイドと免疫抑制剤シクロスポリンがあり、いずれも非常に効果があります。しかし、副作用の問題があるので注意が必要です。例えばレチノイドには胎児に催奇性の問題があり、若年者には投与できません。シクロスポリンには腎障害や免疫力低下の可能性があります。

 【抗サイトカイン療法・サイトカイン療法】 乾癬の発症に、炎症に重要な役割をするサイトカインが関与していることが分かり、これを標的にした治療法が開発されつつあります。

 近い将来、治療の選択肢の一つになると期待しています。

 日常診療では、これらの治療法を組み合わせることによって治療効果を高め、副作用を少なくするようにしています。どの方法を選択するかは、病気の状態、患者さんの社会的背景などで変わります。主治医とよく相談されることを勧めます。重要なことは根気よく治療し、病気を増悪させないようにすることです。

徳島新聞2002年9月1日号より転載

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