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 テレビが登場して約50年、今やテレビは我々の生活の一部になっています。テレビのほかビデオやパソコン、テレビゲーム、インターネット、携帯電話などIT関連機器は私たちの生活に欠かせないものになっています。しかしテレビは昔から勉強の邪魔になったり視力が低下したり、その有害性を指摘されてきました。最近ではテレビの長時間視聴やメディアとの接触が低年齢化していることによる影響が問題とされています。今月は子どもとメディアの関係についてお話します。

 子どものテレビ視聴時間の長短が生活習慣に及ぼす影響調査の結果を見てみますと、テレビを見ている時間が長い子どもほど就寝時刻が遅くなる傾向があります。さらに就寝時刻や起床時刻が不規則で睡眠時間が短くなる傾向があります。またテレビ視聴時間が長い子どもほど朝食を食べないとか偏食であり、食事中にテレビがついている割合が多くなっています。

 睡眠や食事は子どもの成長にとって大変重要な意味を持っています。テレビを見ることで夜更かしになり睡眠時間が短くなる、生活リズムが不規則になると、さまざまな心身の異常が発生してきます。睡眠時間の減少や睡眠リズムの異常は睡眠中に分泌されるホルモンの異常や体温リズムの異常を来します。その結果、日中の活動量の低下を介して学習意欲や認知能力の低下が認められることになります。また攻撃性やイライラ感の増強につながることもあります。子どもの心身の不調原因の中には睡眠不足が原因になるものがあると言われます。また食事中のテレビの視聴は食事に集中することが出来ないことから、子どもの食欲不振や健康状態にも大きな影響を及ぼすことが心配されます。

 メディアは私たちの生活に欠かすことが出来ないものになっています。しかし子どもたちにとってメディアとの接触は家族とのだんらんや自然と出合う機会を奪う危険性があります。長時間メディアと接触することに対して私たちは常に子どもたちに有害ではないかとの危機意識を持って対応する必要があると考えます。

2005年8月9日掲載

© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.