徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

 新生児や1カ月時の健診は出産した産院や病院の新生児の担当医が行うのが普通ですから、一般の小児科医が行う最初の乳児健診は4カ月健診になります。言い換えれば乳児が専門の小児科医に初めて診察を受けるのは4カ月健診と言うことになります。

 4カ月健診は乳児健診の中でももっとも重要なもののひとつです。運動発達の中でも首のすわりは普通100日、つまり3~4カ月であるとされます。この首がすわる時期についてはあまり個人差がありません。3カ月で首がすわっていなくても異常ではありませんが、4カ月を過ぎてまだ首がぐらぐらしているようであれば異常として、厳重な経過観察を行うか精密検査をする必要があります。首がすわることはその後のお座りをしたり立位になったりした時に背筋がしっかりすることの元になりますから運動発達の中ではもっとも大切な現象と言えます。

 またこの時期にはあやすと大きな声をあげて笑い、人の顔をよく見て喜ぶなど表情が豊かになります。視覚としても人の顔をじっと見つめる注視から、動くものを目で追いかける追視が見られるようになります。さらに人の顔を見てなにか話しかけてくる語りかけが見られるようになります。また抱っこしている時に偶然手に触った着物の裾(すそ)などをつかむようになります。ガラガラを持たせるとじっと見つめたり口に持っていきなめたり振ったりするようになります。

 4カ月時には体重や身長を測定することでそれまでの母乳またはミルクなどの栄養法が適切に行われているか、その後の離乳食の準備はできているのかを推測することができます。家族の体質や皮膚の状態を見てアレルギーの有無を考慮して検査の必要性や食事の指導も行います。

 乳児の状態からそれぞれの家庭環境を考慮して、それが育児環境として適切であるかどうかを判断します。さらに育児環境から危険なものを排除し、起こりやすい事故を予防することも必要です。また母親の育児不安を取り除いて虐待に至る状況を未然に予防することもあります。このように乳児健診を真剣に行おうと思えばいくら時間があっても不足なのです。

2006年10月17日掲載

© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.