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【答え】 脂漏性皮膚炎 -専門医の生活指導受けて-

高橋皮膚科クリニック 高橋 収(吉野川市鴨島町鴨島)

 質問の文面からは、後頭部皮疹の症状が分かりませんが、油っぽいふけを付ける赤い状態なら、出ている部位から、まず脂漏性(しろうせい)皮膚炎が考えられます。脂漏性皮膚炎の頭部の皮疹は、ふけ症が強くなったものと思ってもらってかまいません。

 脂漏性皮膚炎には、乳児型と成人型があり、生後2~3週から表れ、4~8カ月までに消えていく乳児型は、乳児の2~5%に見られます。成人型のものは中年以降の患者さんが多く、なかなか完治しません。年に2~3回の再発を繰り返し、1年余りにわたることが一般的です。

 皮疹が出る部位は、脂漏部位といわれる頭部、みけん、鼻周囲、胸部、上背部が中心で、程度により頭部だけのものから脂漏部位全体に及ぶものまであります。

 治療の方針としては、生活の中で症状を増悪させる因子(食事、飲酒、過労、ストレス、スキンケアの間違いなど)があればチェック指導し、ビタミンB2、B6を内服します。かゆみが強ければかゆみ止めの内服薬やステロイド外用剤で、いかにうまくコントロールするかをまず目標とします。患者さんにも疾患の性格をよく分かってもらい、再発することを必要以上に悩まないように指導します。悩むことが増悪因子になることもあるからです。

 最近の考え方では、脂漏性皮膚炎の病因の一つにピチロスポルム(毛穴の中に誰でもがもっているカビ)が考えられ、水虫にも使用する外用剤を使用します。ステロイド外用剤よりも副作用が少なく、うまくコントロールできる患者さんが増えています。

 次に考えられる疾患に、尋常性乾癬(かんせん)があります。頭部だけの皮疹で脂漏性皮膚炎と尋常性乾癬を区別することは難しいことが多く、つめの変化やひざ、ひじなどに乾癬の病変を見つけることで区別が可能になります。頭部の皮疹が中心の乾癬ならば、治療は脂漏性皮膚炎の場合と似ています。

 ただ外用剤に、乾癬に有効なビタミンD3外用剤があり、ステロイド長期外用の副作用をかなり軽減することが可能になりました。乾癬の皮疹が広範に及ぶときは、内服薬で有効性の高いビタミンA誘導体、免疫抑制剤などを使いますが、副作用が強く、頭部だけのときはまず使いません。

 今回の相談者は、脳梗塞で倒れたお母さんにも同じ皮膚の症状があったとのことで、自分も脳梗塞になるのではないかと心配されているようです。

 今回のような皮膚症状は、高コレステロール血症と少なからず関係していると私は思っています。日常の診療でも、いわゆる生活習慣病に準じて生活指導しています。しかし、皮疹のことは皮膚科医から、内科のことは内科医から十分な生活指導を受けて、疾患とうまく付き合っていけば、それ以上の心配はいらないと思います。心配なことは何でも、かかりつけ医に相談してみてください。きっとやさしく答えてくれます。

徳島新聞2004年10月31日号より転載

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