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徳島県小児科医会 日浦恭一

 アレルギー疾患の子どもが増えていると言われます。学童以降で1~2%、乳幼児では5~10%に食物アレルギーがあると言われます。今月は食物アレルギーについて考えてみました。



 食物アレルギーは食物摂取により何らかの不利な症状が出現する病気です。従って食物アレルギー治療の原則は原因食物を特定し、それを回避すること、即ち原因食物を除去することが基本的な治療になります。

 食物の摂取直後に見られるアレルギー症状の中には、皮膚や粘膜に見られる症状として蕁麻疹や顔の紅潮、浮腫、眼の充血や浮腫などが多く見られ、次いで呼吸器症状として鼻水やくしゃみ、咳、喘鳴、呼吸困難が、また循環器症状として速脈、除脈、血圧低下などが見られます。

 特に食物を摂取した直後から2時間以内に症状が現れる即時型のアレルギーやアナフィラキシー症状では再発の予防が大切です。アレルギーの中でも怖いのがアナフィラキシーで、即時型のアレルギー症状が2つ以上の臓器に見られるか、呼吸器症状や循環器症状で生命に危険性が及ぶ可能性のある症状が出現する場合をアナフィラキシーと呼びます。

 即時型の食物アレルギーの原因を特定するためには詳細な問診が必要です。発生した症状、原因が疑われる食物、その食物の摂取量、その加工状況、食物摂取から症状発現までの時間、その食物の摂取歴、運動や薬物の内服との関連の有無、それ以前の同様症状の有無などを詳しく問診しておかねばなりません。

 食物アレルギーを正確に診断するためには検査で確認することも大切です。

徳島新聞2012年3月14日掲載

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