徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について

【答え】 耳鳴り -頻繁に検査 主治医と相談-

上田耳鼻咽喉科 上田 健二(徳島市南昭和町5丁目)

 耳鳴りには「難聴を伴わない耳鳴り」と「難聴を伴う耳鳴り」があります。また、他人が何らかの方法で聴き取ることが可能な「他覚的耳鳴り」と、他人が聴き取ることが不可能な「自覚的耳鳴り」があります。

 さらに、片側性か両側性か、変動する(良くなったり悪くなったりする)かしないか、増悪(進行)するかどうかの耳鳴りに分けることもできます。急性か慢性か、という分け方もあると思います。

 相談者の耳鳴りは、片側性の難聴を伴う自覚的耳鳴りで、慢性に経過して変動し、増悪している耳鳴りです。

 私たち診療所レベルでは、外耳道や鼓膜の状態を十分に観察し、外耳道の異物や外耳道真菌症、中耳炎などの有無をチェックして、聴力検査を実施します。検査の結果は<1>不変<2>変動する<3>次第に、または急激に悪化する-に分けられますが、<3>の場合の診断が非常に困難を極めます。

 相談者は耳鼻咽喉(いんこう)科医の診察を受けているので、真珠腫や好酸球性中耳炎などの重症型進行性の中耳炎は否定されると思います。中耳悪性腫瘍(しゅよう)も否定します。

 片側性で悪化する重大な疾患として残されたのは、聴神経腫瘍です。この疾患を早期に診断する必要があると考えます。CTやMRIでの画像診断が有力な手掛かりになるでしょう。CTやMRIでの診断は診療所レベルではできないので、連携している病院へ紹介します。

 これらの押さえておかなければならない疾患が否定できると、それ以外のより頻度の高い疾患を考えます。一つはメニエール病です。通常は片側性・変動性で、例外を除いて増悪することはありません。聴力検査を何度か行うと、その値は微妙に変動しています。

 二つ目は、突発性難聴です。通常は片側性で、治療後は増悪することはありません。難聴が残った場合の耳鳴りはひどく、聴力の変動はほとんどないのですが、耳鳴りはその日その時によって変動します。

 この耳鳴りの治療は困難で▽抗うつ剤や抗不安剤で気分を落ち着かせる▽漢方薬で精神的身体的なアンバランスを是正する▽イヤホンなどで耳鳴りのする側の耳に音を入れる-などで克服するしかないのが現状です。枕元でラジオを聴きながら眠ると、うまく眠れると思います。

 三つ目は、加齢による難聴です。難聴は左右差があってもそれほど際立つことはありません。しかし、耳鳴りはより聴力が悪化している側、または両側に訴えます。通常、弱い進行性です。治療やアドバイスについては、突発性難聴の場合と同じになります。

 難聴や耳鳴りは、頻繁に聴力検査を実施して経過をみていくと、治療方針がより明確になって治療効果も向上します。この点、主治医と相談してください。

徳島新聞2007年4月15日号より転載

  • 感染症について
  • 研修医募集のお知らせ
  • 広報出版物
  • 東日本大震災に関する情報
  • 徳島県医師会は混合診療解禁に反対です
© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.